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回胴式遊技機に係る技術上の規格 【性能−再遊技】
 「遊技機の認定及び型式の検定等に関する規則」(原本)の第六条に示された別表の内容と、その解釈基準(原本)の内容を併記したものです。
  ※本規格は、5号機に対応しています。


(1)















 ハ 再遊技に係る遊技機の性能に関する規格は、次のとおりとする。
(イ)
規定数ごとに、1回の遊技の結果として特定の図柄の組合せ(入賞に係る図柄の組合せを除く。)が表示された場合における次回の遊技以外に再遊技を行うことができないものであること。

 
【解釈基準】

 「入賞に係る図柄の組合せを除く」とは、入賞に係る図柄の組合せと再遊技に係る図柄の組合せが同一のものであってはならないというものであると解する。
 「特定の」とは、一の遊技機の特性として決定されているものであり、遊技の都度により変動することを禁止しているものであると解する。

   
【管理人によるやさしい解説】

 リプレイの要件について規定している(5号機で新規追加)。

 あらかじめ決められた「リプレイ図柄」が揃った時だけ、リプレイが可能である。
 小役図柄とリプレイ図柄が共用していたり、途中でリプレイ図柄の組み合わせが変化したりすることは禁止である。

 なお、4号機では、「リプレイが成立しても、必ずしも揃わなくてもよい」という解釈になっていたため、ミリオンゴッド(順押しでは揃わない)やストック機(常時リプレイ成立)など、その解釈が爆裂機を生む元凶となっていた。

 その反省からか、5号機では、リプレイに対して非常に厳格な規定が定められており、本項から記載するリプレイ規定:ハ(イ)〜(ホ)は、全て5号機で追加されたものである。(4号機でのリプレイ記述は用語説明のみ)

(ロ)
再遊技に係る条件装置が作動することなく、再遊技に係る図柄の組合せが表示されるものでないこと。

 
【解釈基準】

 再遊技に係る図柄の組合せが表示される場合とは、再遊技に係る条件装置に係る「内部抽せん」に当せんしている場合であると解する。

 
【管理人によるやさしい解説】

 リプレイ図柄が揃う要件について規定している。(5号機で新規追加)
 リプレイ図柄が揃うためには、必ずリプレイフラグが成立していなければならない。

(ハ)
再遊技に係る図柄の組合せの数は、すべての図柄の組合せの数の145分の1を超えるものであること。

 
【解釈基準】

 遊技機が、再遊技に係る図柄の配置を偏らせる等、再遊技に係る条件装置が作動しているにもかかわらず再遊技に係る図柄の組合せが表示されない図柄配列を設けている場合には、条件装置が作動しても図柄の組合せを表示することを可能としない性能を持つものであると解するため、当該遊技機の当該図柄配列を設けている性能は、本規定に抵触する。

 「すべての図柄の組合せの数」とは、図柄の数が一の回胴につき N 個の場合、Nの回胴数乗であると解する。
 図柄の組合せの数は、回胴ごとに図柄が有効となる停止位置の組合せのうち一の組合せを用いて算定するものである。

 
【管理人によるやさしい解説】

 リプレイの組み合わせ比率の下限について規定している。(5号機で新規追加)

 1リール21コマの場合、図柄の組み合わせ総数は、「21×21×21=9,261通り」となる。
 したがって、リプレイ図柄の組み合わせが、64通り(1/145超え)あれば問題ない。

 また、4号機のように、リプレイフラグが成立しているのに、リプレイ図柄が揃わないということはあってはならない。
 唯一の例外が、カラ回しによる自動停止で、この場合に限っては、リプレイ図柄を揃えてはならない。

(ニ)
設定ごと及び規定数ごとに、再遊技に係る条件装置が作動する確率は、73分の10以上の値のうちからあらかじめ定められたものであり、次に掲げるときを除き、変動するものでないこと。

  a 第1種特別役物又は役物連続作動装置の作動に係る条件装置が作動したとき。
  b 第1種特別役物又は役物連続作動装置が作動することとなる図柄の組合せが表示されたとき。
  c 第1種特別役物又は役物連続作動装置の作動が終了したとき。
  d 第1種特別役物又は役物連続作動装置の作動に係る条件装置、第1種特別役物及び役物連続作動装置が
    作動していない場合において、特定の図柄の組合せが表示されたとき。
  e c又はdのいずれかに掲げるときの後に行われたあらかじめ定められた回数の遊技の結果が得られたとき。

 
【解釈基準】

 「あらかじめ定められ」とは、一の遊技機の特性として決定されている事項であると解する。
 「特定の」とは、一の遊技機の特性として決定されているものであり、遊技の都度により変動することを禁止しているものであると解する。

 「作動したとき」、「表示されたとき」、「終了したとき」、「結果が得られたとき」とは、それぞれの条件を表すものであると解する。
 遊技機が、a 〜 e までのそれぞれの条件において再遊技の確率を複数定めることは、七十三分の十以上である限り、差し支えない。

 
【管理人によるやさしい解説】

 リプレイ確率と、リプレイ確率の変動条件を規定している。(5号機で新規追加)

 パチスロは、ゲーム間で4.1秒のウェイトが必要であることを考慮すると、1分間での最大プレイ数は「60÷4.1≒14.6G」となる。
 しかし、それでも、風営法施行規則 第9条の「1分間におおむね400円」の規定をクリアできず、計算上、あと2Gを余分にプレイすることが必要となった。

 したがって、「14.6÷2=7.3」より、リプレイの確率が1/7.3以上と規定されている。
 ただし、4号機までは内規の話で、実際に規定としてその数値が明記されたは5号機からである。


 リプレイ確率の変動、つまりリプレイタイム(RT)の発動条件は以下の5種類のみである。
 ただし、明文化された規定からは見えない、いわゆる「内規」による運用ルールが、少なからず含まれている。

 
(a)BIG(一種BB)、CT(二種BB)、REGのフラグが成立した時

  当初は、ボーナス成立時の連続演出用プチRTとして、ゲーム性向上を目的としたパターンのみであった。
  しかし、JPSの「2027」において、そのRTを利用してARTを発動させるという画期的なアイディアを採用したことにより、バリエーションが一気に増えた。

  現在における、いわゆる「ゼロボ仕様」も、このRTを利用したARTである。
  なお、このRTは必ずゲーム数が無限となり、RTスタート目やRTパンク目(RTゲーム数を0に書き換える出目)が出現しても無視される。

 
(b)BIG、CT、REGの図柄が揃った時、又はBIG中にJAC IN(REG)図柄が揃った時

  RTは必ずしもリプレイ確率がアップすることではなく、リプレイ確率がダウンしたり、全くリプレイが揃わなくなることも含まれる。
  ほとんどの機種では、ボーナス図柄が揃ったタイミングで、「リプレイが揃わないRT」に移行している。(次項参照)

  このRTも、(a)と同じく必ずゲーム数が無限となり、RTスタート目やRTパンク目が出現しても無視される。

  なお、後者の、BIG中のJAC IN図柄揃い時にRT変動を起こす機種に、大都技研の「新・吉宗」などがある。
  このケースのRTはかなり特殊であり、特定のJAC IN図柄が揃った場合、そのBIG終了後に別のRTスタート出目が出現し、RTを書き換える動作となる。

 
(c)BIG、CT、REGが終了した時

  ボーナス後にゲーム数有限RTを発動させるパターンがオーソドックスで、5号機初期の多くの機種で採用された。
  また、ボーナス揃い時に移行した「リプレイが揃わないRT」から、元に状態に戻す動作もここに含まれている。

  なお、天井RTが発動する機種は、実は、通常時(リプレイ確率は普通)がRT状態で、天井時(リプレイ確率が高い)が通常状態となっている。
  したがって、設置直後は必ず天井(リプレイ確率が高い状態)で始まる。(リセットでゲーム数がクリアされる機種では、設定変更のたびに天井スタート)

  ちなみに、ボーナス後から発動するRTは、ゲーム数が有限/無限にかかわらず、RTスタート目が出現した場合、RTの内容を書き換える必要がある。
  また、RTパンク目が出現したら、RTを終了させる必要がある。

 
(d)BIG、CT、REG中を除いて、特定のRTスタート目が出現した時

  ロデオの「ど根性ガエル」で初めて採用されたRTで、特殊リプレイ揃いでゲーム数無限RTに移行するものであった。
  その後、特定図柄揃いによって、ゲーム数有限RTを発動させる機種も徐々に登場するようになった。

  しかし、SNKプレイモアの「超お父さん」で画期的なRTループ仕様(通常時がチャンスゾーン)を採用したことにより、一気にバリエーションが増えた。
  ART仕様全盛の現在では、SINや特定役の取りこぼし目でRTを発動させることが多くなっている。

  ちなみに、通常時から発動するRTにおいて、ゲーム数有限の場合とゲーム数無限の場合とで、RT中の動作が異なる。

   ・有限RT : ボーナス成立以外でRTの内容を変えることは禁止。したがって、RTスタート目やRTパンク目が出現しても無視される。
           「超お父さん」で、低確/高確かかわらずRTに突入した場合、その状態でベルやチェリーを引いてもRT変動しないのは、このためである。

   ・無限RT : RTスタート目が出現した場合、RTの内容を書き換える必要がある。これにより、複数RTによるゲーム性の組み立てが可能。
           また、RTパンク目が出現したら、RTを終了させる必要がある。

  なお、ゲーム数有限ARTで、ARTが終了してもRTが残っている場合、そのRTは無限RTであることが確定する。(通常時の特定出目出現でRT終了)

 
(e)ゲーム数が有限のRTにおいて、規定のRTゲーム数を消化した時

  (a)と(b)のRTは必ずゲーム数が無限になるので、必然的に(c)と(d)の後で発動するRTが該当する。
  規定のRTゲーム数を消化した場合、別のRTに突入するなどの動作は許されず、必ず通常状態(非RT)に戻らなければならない。

  ただし、機種によっては、その通常状態が、見た目上、チャンスゾーンであったり、リプレイ高確率状態であったりする。


 余談だが、AT機能(小役ナビ機能)の発動・終了条件やその内容に対しては一切の規定が存在せず、完全に自由自在なものであるため、ある意味、5号機はRTをどう扱うかの歴史、つまりはこの規定の解釈の歴史(戦い)とも言える。

(ホ)
設定ごと及び規定数ごとに、再遊技に係る条件装置が作動する確率が変動した場合における当該確率は、あらかじめ定められた値(第1種特別役物及び役物連続作動装置が作動していないときは、73分の10以上の値のうちからあらかじめ定められたもの)であること。

 
【解釈基準】

 「あらかじめ定められ」とは、一の遊技機の特性として決定されている事項であると解する。
 
【管理人によるやさしい解説】

 リプレイの確率変動後の確率のついて規定している。(5号機で新規追加)

 基本的には、確変後も通常時と同じく1/7.3以上と規定しているが、REG及びBIG(一種BB)、CT(二種BB)中については除外している。
 つまり、ボーナス中での確率規定はなく、リプレイ全く揃わないようなRTとしても構わない。(実際は、ほとんどの機種がその動作を採用している)

 
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