5章・爆裂化とストックの大発明【4号機中期〜4号機後期】
液晶が登場して以来、液晶付きパチスロはむしろ標準となり、昔では考えられないくらい演出が多様になっていきます。
しかし、業界側は、新しいゲーム性の探求をやめようとはしません。
RT → AT → AR → ST → 爆裂AT → サイレントST・・・とアイディアは限りなく続き、それに伴い爆裂性もどんどん激化
していきます。
 
そして、そのさなか、サミーが大変な問題を起こして、業界が騒然とします。
本章では、その辺りの流れを中心に、多少の思い出も交えて語っていきます。
 【1】初めての通常時のゲーム性追加 〜RT機/AT機登場
規定の解釈変更やスキを突くことで「大量獲得」や「JAC IN持ち越し」を実現しましたが、それはあくまでもボーナス
中の話であり、通常ゲームとしては従来と同じでした。
ところが、ここにきて、初めて通常時のゲーム性が新たに追加されることになります。
それがRT(リプレイタイム)です。
規定では、小役カウンタによる低確/高確以外での小役確率変動は認めていませんが、「リプレイは小役と見なさ
ない = リプレイの通常時の確率変動はOK」と、規定の解釈変更が認められたのです。
このあたりの警察は、解釈変更に非常に寛大でした。
というのも、ゲーム性や演出は広がりを見せていましたが、当時の機種はまだまだ射幸心を極端に煽るような出玉
の波を持っていなかったのです。
RTを初めて搭載した機種は、2000年(平成12年)5月、岡崎産業の「ニュートラッド1」です。
BIG後に必ず50GのRTに突入し、リプレイの確率が上がることにより、その間はほとんどコインを減らさずにプレイでき
るという、たわいの無いものでした。
今まで、「確変も時短も無いパチンコ」のようだったパチスロに対して、やっと時短が許された、という感じです。
 (参考画像: 懐かしのぱちすろ名機列伝 「ニュートラッド1」
しかし、それが後にサイレントストック実現の根源機能になろうとは、誰が想像したでしょうか?
その後、他社からもRT機は出ますが、ただゲーム性がまったりするだけのその機能に対し、この時点ではそれほど
話題になることはありませんでした。
さて、同時期に、AT(アシストタイム)も認められます。
メイン基板は、通常時に、従来よりも高確率で何らかの小役が成立するが、ランダムに振り分けられる絵柄を正しく
目押ししたり正しい押し順でなければ毎ゲーム揃えることが出来ず、それらが偶然揃う確率は従来機とほぼ同じ、と
いうシステムです。
ところが、ATに突入するとサブ基盤が稼働し、目押しすべき正しい絵柄や正しい押し順を光、音、映像等で毎ゲーム
教えてくれる、その結果、コインが増えていくというものです。
つまり、メイン基板は通常時、AT中にかかわらず常に同じ動作をしており、サブ基板はあくまでも「ナビ」だけで、出玉
性能に関してメイン基板への影響を一切及ぼすことはありません。
この実現には、前章で述べた「試験合否を決定する機械割はオヤジ打ちのものでOK」という解釈変更が大きく作用
しているのは言うまでもありません。
その内容を、従来の「BIG中」から「通常時」に発展させたのです。
ATを搭載した初めての機種は、初めてのRT機とほぼ同時の2000年5月、サミ−の「ゲゲゲの鬼太郎SP」でした。
 (参考画像: 懐かしのぱちすろ名機列伝 「ゲゲゲの鬼太郎SP」
ゲゲゲの鬼太郎SPは「正しい絵柄を目押し」するシステムですが、初めて「押し順」という概念を持ち込んで目押し
不要のATを実現したのは、2000年11月、エレコの「イーカップ」です。
これらは、「コインが増える」と言ってもかなり微増であり、RTに毛が生えたようなものでした。
しかし、RTとATが同時に発動する「AR機能」が考案され、次第に、それなりにコインが増えていく仕様へと変貌
していきます。
初のARマシンは、2000年9月、サミーの「ディスクアップ」になります。
 (参考画像: 懐かしのぱちすろ名機列伝 「ディスクアップ」
この時点では、まだまだ「爆裂」とは言えない状況ですが、上記のようなサブ基板の活用法がパチスロ界を大きく
変えることになります。
というのも、規定にあるものは、全て「メイン基板」のルールについて作られたものであり、「サブ基板」なんてもの
は想定しておらず、保通協による検査もノーチェックです。
つまり、今までの解釈変更とかスキを突くとかは関係無く、ルール自体が一切ないので、もう「何でもあり状態」に
なるのです。
0号機時代の「何でもあり」は娯楽の域だったのですが、パチスロがギャンブルマシンと化している状況での「何で
もあり」は、悪魔のルールでした。
それが、後の「爆裂AT機」や「サイレントST機」で大活躍することになります。
 【2】初めての4号機モード概念 〜爆裂AT機登場とサミーの台頭
2001年1月、21世紀の幕開けにふさわしく、サミーから超革命機が登場します。
それが、初めての爆裂AT機となる「獣王」。初めてのノーマル爆裂マシンとも言えると思われます。
「何でもあり」になってしまったパチスロに対し、ここぞとばかりにアイディアをつぎ込んできました。
ここで、登録済みの獣王の「業界初項目」を列記してみます。
 ・初爆裂AT
 ・初モード概念復活 (3号機以降、12年以上封印されていた「モード」が復活)
 ・初特定小役成立でモード移行
 ・初ハズレで抽選 (内部的な「純ハズレ」の概念)
 ・初リセット高確率化 (設定2以上はほぼ高確率モード)
 ・初台枠ランプでボーナス後チャンスゾーンを表現
 ・初1リール確定演出 (7の2連絵柄停止でバックライト特種点滅&轟音)
 ・初AT規定時間以内消化でAT数増加
 ・初7段階以上の設定変更可能 (裏技によりメイン:6/サブ:6の36段階)
 ・初赤/ピンク色以外のチェリー絵柄 (青色)
 ・初一般的な中押し機種 (逆押し派と中押し派)
 ・初設定1に最優遇項目有り (低確時のサバチャン29連の振り分け率)
細かいのもありますが、それまでから見ると、まるで裏モノかと思うような項目ばかりです。
「爆裂AT」には、特に明確な定義はありませんが、「多種類(獣王の場合12種類)の15枚役を別フラグで用意し、
毎ゲームほぼいずれかの15枚役が成立」というアイディアが根源になるかと思います。
これにより、AT効果が計り知れないものとなり、「アステカ」や「大花火」では設定6を掴んで終日でやっと万枚、と
いう世界だったのが、設定不問で短時間万枚可能、という爆裂性を実現することになりました。
また、「高確/低確のモード概念」、「純ハズレがAT抽選契機」、「連チャンテーブル」など、驚くべきアイディアが
詰まっていました。
集中やCTなどは、BIGを引くとパンクでしたが、これはボーナスを引いてもパンク無し、しかも、連チャン中にさらに
連チャンを上乗せる機能もありました。
そして、あえて液晶ではなくドットを活用して、その演出のシンプルさからアツさが倍増、BGMも非常にカッコよく
(特にサバチャンBGMが一世風靡)、何から何までスーパーマシンでした。
 (参考画像: 懐かしのぱちすろ名機列伝 「獣王」
 
 
こんなマシンが大ヒットしないわけがなく、「爆裂AT時代」に突入していきます。
その後、他社から獣王のコピーのようなマシンが山のように発売されますが、しょせんはコピー、獣王を超えるよう
な名機はほとんど登場しませんでした。
これにより、長い間、低迷し続けていたサミーが息を吹き返します。
これまで、サミーについてはほとんど触れてませんでしたので、ここでアルゼの状況と共に軽く触れておきます。
もともとは0号機・箱型パチスロからの老舗ですが、初めてヒットしたのが2号機の代表機、A-Cタイプのアラジン
でした。(開発はサミーで、販売はニイガタ電子)
 (参考画像: 懐かしのぱちすろ名機列伝 「アラジン」
この出来事が、サミーという会社のカラーを決定付けてしまったのかも知れません。
サミーはSINボーナス集中機能を得意科目とし、出る台はA-C機がほとんどになっていきます。
実際、サミーのヒット機種は集中機ばかりでしたが、4号機で思わぬ規制が入ります。
それは、「SINボーナス集中のパンク確率の大幅な引き上げ(Aタイプの場合、1/150以上)」でした。
これにより、苦労して入った集中が簡単に抜けることが多発し、A-C機の人気が次第に冷めてしまいます。
4号機初期に連発したA-C機が失敗したサミーはやむを得ず、純Aタイプをメインに作ることになりますが、もともと
は不得意な分野だったので人気マシンを作ることが出来ず、その多くが裏モノになってしまいました。
その後、「ウルトラセブン」「祭」「ゲゲゲの鬼太郎」などがプチヒットしますが、やはり地味なイメージのメーカーと
いう印象は変わりませんでした。
ところが、この新たな発明、AT機能によって救われることになります。
もともと集中機能が得意だったサミーにとって、その似たようなシステムであるATにノウハウを流用することはそう
困難でもなかったのでしょう。
サミーは、空前の爆裂ATブームというパチスロ界における「時代の波」を初めて作り出し、「獣王」から「北斗の拳」
までの間に、一気にパチスロ界の頂点に登りつめることになります。
なお、データ上からも、サミーのA-C機とAT機の発売数が突出していることがわかります。
 (参考資料: 本サイト 「パチスロ全機種データ分析 〜メーカー編」
上記の傾向は近年になっても変わらないようです。
BIGが存在せず、出玉の波が集中機にも似ている「北斗の拳」はその他の要因もあり大ヒットしましたが、その後
の海物語やポパイ3兄弟の見事な客の飛びっぷりは、凄まじいものがありました。
「正当系は苦手」は、恐らく今後もサミーに付きまとう十字架になり、5号機では苦労するのではないかと思います。
なお、それまで業界をリードしていたアルゼは、この急激に発展するATブームに完全に乗り遅れてしまいます。
サミー憎しの深層心理には、その出来事も一因になっているのでしょうか?
獣王が出てからのアルゼは、「DH2」、「花火の親方」、「クライマックス」、「デカドンちゃん2」、「ギャンブルコンボ2」
といった、今ひとつターゲット層が不明なマシンが多く、さらに次のストックブームにも乗り遅れてしまい、それまで
に築いたシェアを大幅に失ってしまいました。
ついには、4号機後期には4号機マシンの開発を全くヤメてしまい、5号機を先駆ける旗手となるべく、臥薪嘗胆の
時代を送ります。
そして、ついに迎えた5号機時代・・・しかしアルゼの目論見はハズれてしまい、ホールに入るのは4.7号機ばかり、
時期がくるまで隠し玉を握っていたサミー(北斗の拳SE)や大都技研(秘宝伝)が何十万台、何千億円と売り上げ
る一方、5号機をマジメに作ってきたアルゼを始めとする各メーカーはホールからほとんど相手にされません。
筆者は、どう考えてもおかしな現象としか思えませんが、来年(2007年)、4号機が淘汰された暁には、先便を付け
ているアルゼの時代が再び来る予感が(少しだけ)しています。
獣王の話に戻しますが、ひとしきり店のメイン機種としての役割を終えると、ほとんどが低設定に落ち着きますが、
それでも稼働はかなり良い状態でした。
しかし、4月頃に、「朝一での設定変更判別攻略」が発覚します。
これは、デモフラッシュの点滅が始まる時に、低確と高確で微妙にタイミングが異なるというもので、設定2以上に
変更すると高確率で高確スタートとなるため、フラッシュを見極めれば、前日死亡台からの上げ推測、少なくとも、
設定1を避けることが可能となる攻略法でした。
しかし、このフラッシュ判別はかなり微妙で、少なくとも筆者は最後まで判別できなかったし(悲、真正面から見る
と判別困難ということで、朝一には、ほぼ全員が1Gだけ回した後、体を極端に横に傾けてフラッシュ開始をじっと
待つ、という異様な光景が繰り広げられました。
フラッシュ判別でNGだった機種は、その後、継続して打たれることはなく、極端に稼働が下がってしまいました。
このフラッシュはサミーの意図的なものか、偶然なものかわかりませんが、少なくとも、寿命を縮めてしまったのは
確かでした。
余談ですが、獣王の登場から遅れること約2週間後に、バルテックから「マネーゲーム」というマシンが登場します。
これは、12枚役が4種類で、AT1G当たりの純増は約3〜4枚というもので、従来のATよりは強力だけど、爆裂AT
から見ると穏やかな仕様でした。
しかし、この機種にはさまざまなアイディアが組み込まれており、AT終了条件が「次回BIGまで」「規定枚数を超え
るまで」「規定時間を超えるまで」「電源を落とすまで」の4つがありました。
最後の「電源を落とすまで」が、有名な「永久AT」です。(途中で停電したらどうするんだろうか?(笑 )
しかも、その永久ATの突入契機は、ボーナス中にありました。
REGのJACハズレ時に告知があるので、そこで7絵柄を目押しして揃えると、運がよければ永久AT突入です。
(実際はもうちょっと複雑ですが)
この「ボーナス中に7を揃える」というアイディアは言うまでもなく、あのモンスターマシンに受け継がれています。
こんなに素晴らしいアイディアマシンでしたが、獣王の直後とあっては時期が悪すぎ、バルテックの渾身の一作は
見事にマイナー化してしまいました。。。(獣王とは関係ないかも知れませんが)
筆者は、これも「栄光なき名機たち」の一角に、そっと心の中で付け加えておきたいと思ってます。
 (参考画像: 懐かしのぱちすろ名機列伝 「マネーゲーム」
 【3】初めてのストック機能 〜規定スキ突きの象徴
獣王とほぼ時を同じくして登場したのが、パチスロ史上の中でも革命度ではトップを争うと思われるネットの発明、
ST(ストックタイム)です。
これは、後に山佐がRTを駆使した「サイレントストック」として発展させることも大きいですが、少なくとも、ここで
「ボーナスフラグを複数ストックする」という概念が生まれなければ、それもありません。
初めての機種は、2001年1月、ネットのブラックジャック777でした。
そう、21世紀の幕開けは「爆裂AT」と「ST機」という4号機後期を象徴する2つから始まったのです。
 (参考画像: 懐かしのぱちすろ名機列伝 「ブラックジャック777」
さて、このボーナスストック、やはり規定では認められていません。
というか、当然、「ストック」という言葉もありません。
「ボーナスフラグの持ち越しが可能だけど、別に、1個だけ可能とは書いてないよね?禁止事項じゃないから、複数
のフラグを貯めこんでおいて、後でまとめて放出しても構わないよね?」という理論です。
JAC IN持ち越しの時と同じような理論ですが、やはり、これも「確かに違反じゃないからなぁ」と警察も認めることに
なります。
この発明は、他社の開発者を、それまでにないくらい大変驚かせたそうです。
AT機能は途中で「待った」がかかりますが、このストック機能は、4号機の最後の最後まで活躍することになります。
とは言っても、最初の頃のST機は、本当に独立した「ストックタイム」でした。
3号機時代の裏モノ・貯金システムとは異なり、単に「一定期間、複数のボーナスを持ち越して、後で一気に放出
させるだけ」というものです。
通常時はストック機能は作動せず、STに突入するとストックが始まります。
ブラックジャック777の場合、STが33G継続と777G継続の2種類あり、いずれもコインを微増させながらストックを
貯めていきます。(ここが延々と逆押し必須で結構めんどくさい)
そして、ST終了時に、貯めていたボーナスを一気に全部放出させるわけですが、放出ボーナス数があらかじめ
わかるため、その予定調和的な作業には、いまひとつアツさがありませんでした。
この機能は、思ったほどプレイヤーへのインパクトは大きくなく、ネットの後継機たちに引き継がれていきますが、
他社への普及はほとんどありませんでした。
しかし、後年、山佐が「サイレントST」を発明することにより、ATの規制もからんで、ほぼ全機種がストック機と
いう状況を迎えることになります。
 【4】初めての小役連続成立での特典 〜アリストクラートの秀逸アイディア
4号機初期から、通常時におけるリプレイは打つタイミングを固定できず、ジャマな存在として見られていましたが、
そのリプレイが通常時に最もアツく注目されるという機種が登場します。
それが、2001年7月、アリストクラートの出世作となる「ネコde小判」です。
現在では、標準機能のように使われている「リプレイ3連がアツい」というアイディアを初めて持ち込みました。
通常時はリプレイ3連でAT突入、BIG終了後と40G AT終了後は4Gのチャンスタイムがあり、1回でもリプレイが
揃えば再AT、ここでリプ4連すると猛爆必至のJACPOT ATスタート。
これにより、通常時に1回でもリプレイが出たらちょっと緊張、2回連続したらリプレイを祈りながら恐る恐るレバーを
叩く、というような、それまでにはなかった光景が見られました。
このアイディアは、即座に広く他社に反映されて、「リプレイ以外の小役連続」(サイバードラゴン)、「異なる小役の
連続成立」(忍者ハットリくんV)、「リプレイ5連続まで拡大」(俺の空)など、システムの核の機能になります。
 (参考画像: 懐かしのぱちすろ名機列伝 「猫de小判」
アリストクラートは、ほどなく業界初の5リール機「巨人の星」を登場させており、そのアイディア力は高く評価されて
います。(「通常時にリプレイ4連続で確定」はミリオンゴッドに先を超されましたが)
 【5】初めての謎のシステム 〜裏モノシステムの合法復活
爆裂AT機とST機の登場はほぼ同時期ですが、時代が望んだのは爆裂AT機の方でした。
獣王の大ヒットもあり、爆裂AT機は圧倒的な支持を受け、各メーカーが出すマシンは爆裂AT機がメインとなります。
一方、ST機の方は、ネットの後継機以外では採用されることはありませんでした。
そんな中、山佐も流れに乗って「サイバードラゴン」という、初のプレイヤーミッション機能を持った爆裂ATマシンを
登場させますが、それと平行して、密かに新しいシステムのアイディアを練っていました。
それが、パチスロ至上に燦然と輝く大革命、「サイレントストック」機能です。
これは、爆裂AT機で発案された、
・通常ゲーム中は、常に何らかのフラグが成立し、内部的なハズレ(純ハズレ)はほとんど無い
という概念と、以下の3つの既知ルールを組み合わせて誕生しました。
・通常ゲーム中でもリプレイだけは確率変動してもよい (=RT機能)
・成立した小役フラグは必ずしも揃わなくてもよい
・ボーナスフラグ持ち越し中でも、小役が成立した場合は小役揃いの方を優先させる
まず、完全に廃れてしまった時代遅れ機能「RT(リプレイタイム)」の活用方が、この革命の礎になります。
それは、従来の「特定期間のみ、高確率でリプレイ成立」から、「通常ゲーム中は常時、小役/ボーナス成立以外
はほぼ全てリプレイ成立(実際に揃う確率は従来通り)」と、大胆に変更したところにあります。
これにより、RTが作動してる状況では、成立したボーナスフラグは常にリプレイの成立に邪魔をされて揃えることが
できず(ボーナス成立ゲームはリール制御でボーナス揃いを阻止)、延々と持ち越される状態となり、結果的に初期
のST機とは全く違う「サイレントストック」を実現したのです。
そのストックされたボーナスを揃えることができるようになる契機が、いわゆる「RT解除」と呼ばれるものです。
 
RT解除には、「ゲーム数解除」「特定小役解除」「特定小役連続成立解除」など、さまざまなパターンが存在します
が、それらは全てメイン基板の仕事です。
 
しかし、そもそも「ストック」という概念が規定上にないため、前述のサブ基板と同じく、その条件はメーカーが思うが
ままの「何でもあり状態」でした。
 
一応、大義名分の「ボーナス抽選は完全確率」は守られていますが、その一方で「ボーナス放出タイミングは自由
自在」というのは、本来のルールの趣旨から考えると本末転倒、どう考えても変です。
しかし、警察の対応は、「規定違反・・・じゃないね。前にネットが持ち込んだストック機能も認めちゃったし、考えるの
面倒だから、もうどうにでもしろ」ってな感じだったんでしょうか?
こうして、3号機・裏モノ時代の代表格「ワイルドキャッツ」「セブンボンバー」などで絶大な支持を受け、最終的には
重大違法として淘汰された貯金システムが、合法システムとして堂々と戻ってくることになりました。
 
 
初めてサイレントストック機能を採用したマシンは、2001年(平成13年)9月の「スーパーリノ」です。
これは、RT解除ゲームを「5ゲーム目」に大幅に振り分けることで主に5ゲーム連を発生させるのがウリで、かつ、
ボーナス終了後、57ゲーム以内が連チャンゾーンとなるRTゲーム数テーブル仕様でした(天井は857G)。
もちろん、この機種名と5ゲーム連チャンの仕様は、過去の裏モノの「リノ」を意識したマシンであることは言うまでも
ありません。(リノは貯金システムではありませんが)
 (参考画像: 懐かしのぱちすろ名機列伝 「スーパーリノ」
当初、筆者は、毎回抽選の引きではなく既にボーナスが揃うゲーム数が決定されているというシステムに馴染めず、
「こんな機種ばかりになったらイヤだなぁ」と思っていましたが、まさにそんな機種ばかりになってしまいました。
 
さらに巧みにRT解除テーブルをいじり、小役解除も考慮されたサイレントストック第2弾「キングパルサー」が大ヒット
すると、爆裂AT機と並行して、各メーカーからサイレントストック機が次々と登場します。
 
特にオリンピアの「島唄-30」は衝撃的で、BIGボーナスだけが1Gで延々と揃い続ける、という裏モノですら及ばない
ような凄まじい仕様を実現していました。
 
 (参考画像: 懐かしのぱちすろ名機列伝 「キングパルサー」「島唄」
 
 
ただし、キングパルサーや島唄-30などは、内部確率よりも放出確率の方が高く、常に「ストック切れ」が発生する
仕様であり、純Aタイプと比較しても、単にボーナス出現のタイミングをずらしているだけのものです。
 
しかし、次第に内部確率よりも放出確率の方が低い、いわゆる「ストック切れを想定しない」といういびつな仕様が
主流になり、もはや、完全に「内部確率に関する規定」は有形無実なものになってしまいました。
 
やがて、AT機能が規制された後は、非サイレントストック機の数が片手で数えられるくらい、4号機の最後まで繁栄
を続け、「ゾーン」「天井」「ハイエナ」「ストック飛ばし」などの言葉も大流行となりました。
  
  
サイレントストック機の流行に際して特筆すべき点として、根強く残っていた裏モノの一掃が挙げられるでしょう。
 
裏モノよりも波の荒い爆裂AT時代で、既にその兆候はありましたが、やはり「ボーナスが連チャンしまくる」マシンの
ニーズはあり、沖スロを中心として密かに活躍していました。
ところが、合法的にボーナスが連チャンするマシンが登場したため、裏モノの存在意義がなくなってしまったのです。
特に、北斗の拳が全国のホールを席巻するようになる頃には、裏モノはほぼ完全に淘汰されてしまいました。
余談ですが、スーパーリノが登場してから解析されるまでの間、その仕組みは完全に謎に包まれていました。
ストック機能を使用していることは容易に想像つくのですが、リール制御の工夫だけでは、規定上、固定ゲーム数で
ボーナスを揃えられるようにすることは出来ません。
当時、各攻略誌は頭をひねって色んな説を出していましたが、それらは見事に全て「ハズレ」でした。
フタを開ければ意外にシンプルでしたが、解析されるまでこんなに謎に包まれたシステムというのは、例が無かった
と思います。
それだけ、山佐の発想力がスゴかった、ということでしょう。
最後に、本サイト議論場の住民さんの、「サイレントストック機能」への意見を紹介して本項を締めます。
 |これは20点くらい、いやそれ以上のポイントでもよいのでは?
 |他の10点の項目は技術の進歩や規定の変更で出るべくして出たものだけど、これは違うでしょ
筆者も、同意見です。
 
 
 【6】初めての大規模シマ封鎖 〜サミーの大失態
パチスロの歴史の中では、数え切れないくらいの攻略が発覚しています。
その多くは裏モノにあるわけですが、まれにノーマルマシンでも、配列ミスやプログラムなどの欠陥を突いたものが
発覚しており、いわゆる「傷ネタ」と呼ばれています。
ノーマルで通用するものの中でも印象深いのが、
 ・「コンチネンタル」の4枚掛け攻略 (他店コイン識別用の「コインセレクター:CS-90」に設計バグ)
 ・「ジャックポットU」のボタン連打打法 (フルウェイトで超早打ちするとボーナスが成立しやすい)
 ・「ビーナスライン」の変則打ち小役回収打法 (目押しが完璧だと設定1でも機械割:約123%に)
 ・「クレイジーレーサー」の液晶バグ攻略 (十字キーを使った手順でスーパークレイジータイム直撃可能)
あたりです。
しかし、「最も印象深いのは?」と聞かれれば、もうアレしかないでしょう。
まだ記憶に新しいと思いますが、2001年10月1日に発覚したサミー系の「レバーゆっくり下げ(フラグコピー)打法」。
なんと言っても、その攻略効果と規模が違います。
基本的に、それまでは問題が発覚しても、そのマシンのみ、もしくはその兄弟機を対策すれば良かった話が、その
問題の影響範囲は、サミー系(ロデオ、アリストクラート含む)の全マシン、約30万台が対象でした。
一応、問題の内容をおさらいしますと、その当時のサミー系マシンは、レバーを下げてから一定の距離に到達した
時点で初めて新たな乱数を取得する、というものでした。
しかし、その一定の距離まで到達しないうちからゲームはスタートしてしまい、その時点以上、レバーを下げないと
新たな乱数を取得することは出来ません。